箱根神社奥の院・奥宮は、昭和三十年代、西武鉄道の創始者の堤康次郎が、箱根の神様に本殿のない拝殿を奉納した建物です。 箱根神社には、「社殿」「拝殿」と「本殿」があります。本殿には神様がいらっしゃいますが、 元宮には「本殿」がなく「拝殿」だけとなります。 つまり箱根神社の奥の院は、神様のいらっしゃる建物はなく拝む場所なのです。
「奥の院」では普通、本殿への扉がありますが、箱根神社の奥の院は、開けると窓になっており、真正面に神山が見える様な形になっています。今の神社が建ったのは天平宝字元年(757年)。それ以前は、駒ケ岳山頂から隣の神山を拝む形の斎場でした。
箱根の一番大きく一番高い神山は、神様が光臨される依り代(よりしろ)だったわけです。
毎年10月24日、箱根元宮神社横の斎場では 駒ケ岳山頂の神仙宮から神山に向かって御神火祭が行われます。駒ケ岳山頂で火をおこし、その火を神山の神様に捧げ、箱根神社など全山20社の神社に火をお供えするというお祭です。(10月24日:御神火祭、25日:御神火巡行祭)